前回まで育休だった幸喜がインタビュアーとして復帰。
代打の普天間伊織さん、ありがとうございました!
「新しい沖縄を創る会」全県・那覇大会にて
幸喜)
会長!私は怒っております!
安里)
なんだ!?
幸喜)
見ましたよ、「新しい沖縄を創る会」の三ツ折りのカード。
なんですかあれは、安里繁信のプロフィールの好きな食べ物の欄に
「タコライス」って書いてましたが、
そこは「ブエノチキン」じゃないですか!!!
安里)
あっ(笑)これは失礼しました、
事務局の方にクレームがきたと連絡しておきます(笑)
幸喜)
というわけで小芝居から始まりましたが(笑)
私が育休いただいてる間にビッグプロジェクトが始動してますね!!
安里)
はい、そうなんですよ。
幸喜)
先日5月16日に開催された「新しい沖縄を創る会」主催の全県・那覇大会で
今度の沖縄県知事選挙への
出馬の前向きな意思を表明されましたね。
これまでもいろんな選挙で周りからたくさん期待の声があったと思いますが、
「僕である理由がなければ出る意味がない」とずっとおっしゃって
他の候補を応援する側として選挙運動に参加されてましたよね。
いよいよ、自分が出る理由が見つかってしまったんですか。
安里)
そうだね。
いろんな葛藤がありましたし、
長年沖縄の政治に関わってきた先輩方からも
いろんなアドバイスをもらいました。
ある方は翁長知事の二期目は強いから
その次の選挙に出た方がいいよ、とか
まだ若いんだから生き急ぐ必要はないんじゃないか、
この世界はエスカレーターの順番待ちをしなければ
反発を買うんじゃないか、とかね。
皆さん僕のことを心配してのご助言なので有難いことなんです。
だけど、真面目な話、2022年から始まる
新しい沖縄振興計画(*)は
次の選挙で選ばれる知事が
中心となって作るんです。
振興計画は10年の時限立法ですから、
次の知事が向こう10年の沖縄を描くということ。
だから今回ではなくその次に知事に選ばれたとしても、
その方が描いたシナリオをなぞることにしかならない。
それなら僕である必要はないんですよね。
つまり、次の10年の沖縄を描く節目である今だからこそ
僕がやる理由があると判断して、
出馬の前向きな意思を選考委員の方々へ伝えました。
(*)
沖縄振興特別措置法という時限立法に基づく。現行の計画「沖縄 21 世紀ビジョン」 は、県民の参画と協働のもとに、将来のあるべき沖縄の姿を描き、その実現に向け た取り組みの方向性と県民や行政の役割などを明らかにする基本構想としてまとめ られています。
幸喜)
今だからこその決断だったんですね。
その出馬への前向きな意思表明までに、どんな動きがあったんですか?
安里)
初めに「新しい沖縄を創る会」からの
出馬依頼を受けたのは2月です。
この会は代表に株式会社カヌチャベイリゾート
代表取締役の白石武博会長、
糸満の自民党の歴史を作ってこられた
自民党沖縄県支部連合会の元会長、 新垣哲司先生や
宜野湾の保守の歴史を作ってこられた元衆議院議員の安次富修先生、
この皆さんが中心となって2月に会を立ち上げて、
その中で僕にリーダーとして立ってほしいという依頼、
県知事選への出馬要請があったんです。
県知事選については当初から
先生方中心に危機感を踏まえて
関心を募らせていたようで、
昨年8月末頃に翌年の県知事選挙の
選考委員会を9月いっぱいで立ち上げる、
との自民党県連の発表を受け
一日も早くと見守っていたとのことですが、
結局年が明けても一向に開催されず
時間がないとしびれを切らせて
2月を機にスタートしたのがこの会の発足の経緯なんです。
だけど、その時は僕は家族との話し合いもしてないし
出馬要請の熱い想いだけを受け止めたんですね。
それにどんな沖縄をつくるか
という議論もなしに
県政奪還というだけでは
僕が出馬する理由はないと思ったから
自分なりに、自分が出る意味や意義があるか
頭の中を整理したんです。
だから皆さんの気持ちはありがたく受け止めつつ、
僕なら県民の皆さんにどんな未来づくりの提案を
投げかけられるかなと考え葛藤しながら、
新しい沖縄を創る会の集いに参加していました。
幸喜)
なるほど、それで2月に会が立ち上がってから
やんばるや宮古、読谷など各地で有志の会が立ち上がって
どんどん集会が開催されていったんですね。
最初の浦添大会を皮切りに糸満、宜野湾、宮古、
西原、読谷、JC有志、沖縄市、やんばる、八重山へと
会がどんどん立ち上がって、
しかも地域だけじゃなく、「女性有志の会」とか
「若手有志の会」なんかも立ち上がっていますよね。
安里)
そうだね、びっくりしました。
それで全県大会・那覇大会では
政財界はもとより、高校生から大学生、
年配の方まで各界各層の方々が来てくださってて
今までの政治集会とは全く違う熱気であふれかえっていて、
正直鳥肌が立ちました。
幸喜)
一番びっくりしたのは、政治の「せ」の字も知らない
うちの母サチコも参加してたことです(笑)
今さらですが「安里さんってすごい人なのね!」って言ってましたよ(笑)
安里)
ありがとうございます(笑)
そういう風に感じてくれたならメチャメチャ嬉しいし、
会場見渡すと、昔お世話になった
おじちゃんおばちゃんとか、その友達とか(笑)
今まで経験した企業動員を前提とした運動の
枠組を超えた方が沢山いらっしゃり驚きました。
意思表明をする安里繁信
幸喜)
そうして2,500人超も集まった中で出馬の前向きな意思を表明されるわけですが、
いつその気持ちを固めたんですか?
安里)
まずね、5月2日に知事候補選考委員の代表が訪ねてきて
2つの確認事項があったんです。
1つは出馬の意思があるか、
もう1つは、選考委員会に全ての決定を委ねてほしいが
それができるのか、ということでした。
幸喜)
つまり、選考委員に選ばれれば出馬するし、
選ばれなければ出馬しない、ということですね。
安里)
そうです。
そこで僕は出馬の意思はありますが、
2つ目に関しては僕を支持してくれている
皆さんの想いもありますから、
選考委員会の選考のプロセスに透明性があるのかを含めて
支持者の皆さんが納得できるかどうかで
判断するとお答えしました。
県政も民主主義。それって、
様々な考えの最大公約数を旨として
運営されていくものなんだろうと思います。
選考委員会のあり方も
民主的に行われているかがものすごく重要。
それが、ごく一部の指導者の
都合だけで候補者が決まり、
限られた選択肢の中での
県知事選挙になってしまうと
すごく虚しいと思うんです。
そうじゃなく、もう一度、
県民の手に政治を取り戻さなきゃいけない。
「こんな沖縄にしよう」っていう
未来志向の選挙じゃないとつまらない。
幸喜)
そうですよね、これまでの選挙を見ていて
どの政党がくっつくか、くっつかないかだけで候補者を選んでるのを感じると
私みたいな政治に疎い立場からすると胡散臭くてやだなぁと感じます。
安里)
そうだよね。もちろん国会や県議会では
議会制民主主義の力学の中で、
どの政党と政策協定を結び与党形成をしていくかが常なので、
そこの意見は尊重しつつも、
これからの沖縄の未来を決めていくのは県民一人ひとりですから
その県民の意思を尊重したいと思うんだよね。
これまでイデオロギー闘争に巻き込まれたくないという思いで
政治との距離をおいていた皆さんへの思いを込めて
「右でもない左でもない、前へ」
と言っています。
幸喜)
これは私の好きな喜納昌吉さんの言葉
「右翼でもなく左翼でもなく、なかよく」に匹敵する名台詞ですね!
安里)
そう、さらに前向きにね!(笑)
一部の右だ左だ、どっちが正解だ、という話ではなく
1日1日を積み重ねていく上で確実に豊かになっていく、
子供の笑顔が増えていく、
おじいちゃん・おばあちゃんたちが喜ぶ、
そして少なからず経済が活性化していく、
平和になっていく、基地の整理縮小が進んでいく。
そんな毎日を過ごしたいですよね。
僕は究極のリアリストだから
現実から目を背けずに
自治を運営していかなきゃいけないと思うから
一部の政党に押されたから出たという話ではなく
出ることを前提にそれぞれの政党と協力して
目指す社会を実現していく、というのが
順番として正しいと思っているわけです。
幸喜)
自民党が自民党のために押し上げた候補者ではなくて
県民のためにやるべきことを
自民党の力もお借りしながら実現する、、、という順番ですね。
安里)
もちろん政党からの推薦はありがたいし
それを基礎に持つのはとても心強いことだけども
とはいえ、党利党略のためだけに
沖縄の自治が利用されるのもおかしいし
どんな沖縄を作っていくか
真剣に議論していきたいと思ってるから
その順番はどうしても守りたいんです。
幸喜)
それはすごい勇気ですよね。
安里)
「よそ者、若者、ばか者」が時代を変えるって言いますが
世間から見ると、僕は業界にどっぷり
浸かってこなかった「よそ者」であり、
沖縄の政治業界的にはまだまだ年齢的に
「若者」といわれていますが、、
僕自身は、業界秩序にとらわれないばか者、
ばか正直なくらい、沖縄の未来を憂えるばか者で
ありたいと思っています。
この業界はこうなんだ、
政治ってこうなんだ、
だから無理だって言ってて
変えられないところを
僕みたいなよそ者、ばか者が
新しい提案をしていきたい。
有権者と向き合って。
幸喜)
そういう意思で、自民党の選考委員からの確認に答えたわけですね。
安里)
僕が一番向き合わなきゃいけないのは
右にも左にもレッテル貼られるのが嫌で、
政治にシラケてる真ん中の人たち。
そういう人たちに
「ねえ、改めて沖縄の未来を考えてみない?」
「一緒に沖縄作っていかない?」
っていう提案をしていきたいんです。
ご都合主義の政治じゃなくてね。
幸喜)
私は自民党が嫌いなんですが、
それは一党独裁で続いてるのが不健全で嫌なんですよね。
しがらみが強固になるっていうのと、
どうせ何しても俺たちしか与党はできないっていう
変な自信がありすぎて国民を馬鹿にしてる感じが嫌で
もっと健全に政党が交代して
お互いをよくしていくような緊張感があってほしい。
だからといって自民党以外だと
経験とノウハウがなさすぎて結局何もできない。
だから実務をできる自民党がまだマシかな、という結論になるんですよね。
会長がおっしゃるように、政党ありきでなく
有権者と向き合う政治をしてほしいです。
安里)
そうだね。
自民党にも熱い時代があって、
今は小選挙区制で自民党なら
誰でも当選するような仕組みになってますが
かつて中選挙区制の頃は県内においても
自民党の中でそれぞれの親分がいて、
自民党籍の候補者同士でも
支持基盤拡大に向けた競争があって
それぞれ切磋琢磨していたんです。
だからみんな政治活動も必死でやったし
仲間づくりも必死でやったし
そのプロセスが政治を熱くしたし、
自民党の中での浄化というか、
国民のためにと頑張る人が残る流れができてた。
でも今はその流れが見えない気がして、、
それが国民の不安にも繋がっているのかなぁ?
幸喜)
なんだか膿が溜まって淀んでみえますね。
吐き出すところもない。
安里)
残念ながら、こうなると国民は政治や行政に期待しなくなる。
そんな中で大事なのが、希望や期待を寄せられる
候補者の存在だと思うんだ。
マンネリした社会で夢も希望も託せないという時に
この人なら何かやってくれそう、
そんな期待を抱いてもらう人物だと思う。
下を向いてた人がもう一度、上を向けるようにね。
幸喜)
政治に希望はほしいですね。
ちなみに一つ気になったのが、候補として選考される前に
ああいった会を開いて出馬の意思を表明するっていうのは
フライングではないんですか?
福岡の行橋市議の小坪さんがブログで
「自民党の候補者の選考を進める意図があるのでは」と書いてたので
なるほどな、と思いましたが、やっぱりそういう意図はあったんですか?
安里)
どうだろう?だけど、既存マスメディアだけでなく、
SNSなどこれだけ情報化社会が進んできた中で
自分たちで候補者を選ぼうという動きは画期的なことだと思う。
業界、分野にかかわらず世の中を見渡した中で
ふさわしいリーダーを自ら押上げていく。
それって見てる方もワクワクするじゃない。
僕としては今のこのモヤっとした世の中の空気の中で
何ができるのか葛藤はありますが、
みなさんに押し上げていただいた流れに身を委ねるというか、
その波を正面から受け止めたいと思っています。
幸喜)
なるほど、流れに身を委ねるという心持ちだからでしょうか、
今日の会長のリラックスっぷりに驚きました。
もっと「知事選に出るぞ、いよいよだぞ!」という
重たい緊張した空気をまとってるかと思いましたが、
全然ですね、いつもよりゆるっとしている(笑)
安里)
そう見える?(笑)
政治家になるぞー!っていう気負いはなくて、
むしろ安里繁信がワクワクドキドキする
新しい沖縄づくりの提案をさせていただきます、
という感じだからね。
幸喜)
その気負いのない感じにびっくりします。
安里)
より冷静に自分を見ていきたいと思ってます。
家族は、大変ですが・・・。
幸喜)
そうですよ、奥さんの心労はお察しします!
安里)
でもね、これをきっかけに一緒に
子供たちの未来を考えることができるし
僕が気付かないことを母親の目線で教えてって話してます。
沖縄の県知事なんて課題が山積しててすごく大変。
それでも出馬するというのは
沖縄のおっさんも捨てたもんじゃないよって
子供達に言いたいんですよね。
沖縄だから無理だったよね、変えられなかったね、
とか言うんじゃなくてね。
幸喜)
もっとワクワクする提案をお願いしたいですね!
日本の政治は失敗した時の批判やリスクを恐れて
無難な決断ばかりで面白い挑戦をしないイメージがあります。
そうじゃなくて、「こうしたいからやってみよう」という勇気を持ってほしいです。
もちろん挑戦や失敗を許す私たちの心構えも必要ですが。
安里)
そうだよね、僕ら経営者って常にそうやってきてるわけだし、
子育てだってそうだよね。
何かを育てていく時に100点満点の答えってないのさ。
でも常に答えを出していかなきゃいけない。
僕はこれまでの歴史に対して
ちゃぶ台ひっくりかえしたり無視することもない。
とにかく常に答えを出していく。
誰かの責任にすり替えたり先送りするんじゃなくて、
今日より明日が良くなることを信じて。
それがとても大切なことなんじゃないかな。
幸喜)
本当にそうですね。
安里)
それが未来につながるかを考えながら
大きいものから小さいものまで
一つ一つ心を込めた決断をしていく。
とにかく僕を押してくれている方々と
どんな沖縄にしたいか真剣に議論しながら
もう一回、端から端まで沖縄を回りたいですね。
都会の真ん中で鉛筆舐めてても沖縄は見えませんから。
幸喜)
うちの旦那さんが桜が咲いた暁には
ディズニーランドに連れてってあげると言ってたので
ぜひ突き抜けてください(笑)
安里)
「勝者が歴史を創り、挑戦者が未来を創る」
という言葉があるようですが、これをモットーに
引き続き精進していきたいと思います。
よろしくお願いいたします!