安里繁信のしげ脳vol.322「超個性派、新大統領の誕生」
安里繁信のしげ脳vol.322「超個性派、新大統領の誕生」
*取材日はアメリカ大統領選の3日後です*
安里)
勝っちゃったなぁ!
幸喜)
勝っちゃいましたねぇ!
今回トランプさんが決まった大統領選、
会長はどう見てましたか?
安里)
どうせヒラリーさんだろうと思ってたら
トランプさんが勝つかも!って状況に変わってきて、
なぜか僕までドキドキしてました(笑)
選挙当日は株価は暴落するわ円高に走るわ、
アメリカは大変なことになってましたが
翌日には数字が元に戻っててさ。
面白い現象だなと思って見てました。
兎にも角にも、
まさかアメリカの大統領が
政治玄人ではない民間人になるなんて
誰が想定したか!
幸喜)
しかも、あれだけ激しい人が!
ドラえもんで例えると生徒会長が出来杉くんじゃなくて
ジャイアンになった、みたいな感じですよね(笑)
オバマさんは黒人初の大統領でしたが
それ以上のインパクトがあります。
安里)
オバマさんって凛々しいし言葉の一つ一つに品格があって、
彼が大統領になった時は「アメリカってかっこいいー!」
って印象だったじゃないですか。
オバマケアとか実際の功績はさておき、
彼の立ち振る舞いってすごく絵になってたと思うんです。
それがトランプさんに変わるんだよ!?
幸喜)
印象は真逆ですよね、品格どころか相手を罵る(笑)
でもそれをアメリカが求めたというのは面白いですね。
安里)
既存の枠組みの延長ではなく、
アメリカを変えて欲しいという
期待があったんじゃないでしょうか。
政治家不信が根っこにあったという
ジャーナリストの方もいますし。
でも不安視する声も大きいですが、
僕はアメリカは民衆が成熟し始めてると思うので
極端すぎる方向にはいかないんじゃないかな。
幸喜)
特に暴走することはない、と。
安里)
うん、新しい面は出てくるんでしょうが、
一回立ち止まって国づくりを考えよう、ってことを
有権者が求めた結果がトランプさんという
答えなんじゃないかと思うんです。
幸喜)
ヒラリーさんだと良くも悪くも
今まで通りだろうなと予想はつきますよね。
安里)
そうそう、手垢がついてるというか。
オバマ政権の良いところも悪いところも
踏襲していくだろうという見方が大半だったと思うんです。
だから守りに入ってる方々からするとそれでよかった。
でもそれ以上に不満や危機感を持ってる方からすると、
とにかく壊してくれという
思いがあったんじゃないかなと推察しますね。
これぐらいインパクトがないと
日本国も変わらないんじゃないかな。
幸喜)
え、アメリカじゃなくて、日本が、変わると思うんですか?
安里)
うん、だって東日本大震災を経験しても
日本は変わらなかったんだよ。
あれだけの犠牲を伴う震災を受けても
この国は変わらなかった。
地方自治でありエネルギー政策であり、
立ち止まって一回考える時期だったと思うんです。
でも日本は変わらなかった。
今までやってきたことを正当化するために
様々なものをモヤモヤとしたまま
見て見ぬ振りしたまま
前に進んでいる現状がありますよね。
民主党政権が悪かった、で大方を終わらせてしまっている。
でも今回、アメリカがこれだけ変わるということは
世界の外交の仕組みとか
当たり前だったことが変わり始めるんじゃないでしょうか。
東アジアの中での日本の立ち位置とか
経済を基軸にした日本とアメリカの関係とかを含めて
考え直さなければいけない、見直さなければいけない、
改めなければいけないことが出てくると思うんです。
幸喜)
そうですね、トランプさんはTPP離脱と言ってますしね。
安里)
うん、だけど日本ではTPPは衆院通過しましたから、
アメリカの決断と関係なしに
日本は日本として独自に
通商交渉をやっていることが見えたので
若干安心しましたし、
アメリカ抜きの外交を
どうイニシアチブ取っていくのか見ものだし。
とにかく今回の大統領選を
踏まえてつくづく思うのは、
やっぱり歴史は人が作るんだな、
ってことです。
幸喜)
なるほど、会長ならではの視点ですね。
安里)
その登場人物一人によって、
これまでのアメリカの概念すら変わってゆくし
日本という概念とか、
沖縄とはなんだっていう定義も変わってゆくだろうし、
一票を投じる有権者も含めて、
自分たちが歴史を作っていくんだっていうこと、
それを感じる機会になりました。
せっかくこういう
変わるチャンスが来たわけですから
文句を言うのは簡単だけど
もう決まったことだから
僕らはこれを肯定して、
これまで出来なかったことを
模索していくといいんじゃないでしょうか。
この変わり目をどう活かせるか試されてると思いますので
期待を持って見守っていきたいです。
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